2015年6月号 『低栄養を予防しよう』

低栄養を予防しよう

高齢になると、十分に食事がとれなくなったり消化吸収機能が低下して、栄養や水分が不足してしまいがちになります。
若年層より体の筋肉や水分が減ってくるため、低栄養になると様々な症状が起きやすくなり、それらが重なってさらに食べる力が失われ、寝たきり状態や死に至る危険も高くなります。

●加齢に伴う身体の変化●

消化液分泌量の減少
(唾液・胃液・膵液等)

消化・吸収力低下
消化不良や下痢を起こし易くなる

喉の渇きの感覚が
鈍くなる

脱水症状を起こしやすくなる

腸の運動機能低下
便秘になりやすくなる

味覚が鈍くなる
塩味と甘味を感じにくくなる。
味付けが濃くなる

食欲低下
食事量が減少、栄養状態が悪くなる

飲み込む力が弱くなる
(嚥下障害)
喉につかえたり、詰まらせるむせ、誤嚥性肺炎の原因になる

咀嚼力の低下
柔らかいものは糖質や脂質が主なため、たんぱく質や食物繊維が不足しがちになる

高齢者は誰でも低栄養になる可能性があります!!
変化の度合いには個人差がありますので、個々に合わせた食生活の工夫が必要です 

●食べることが困難になる原因●

身体機能の衰え

・噛む力、飲み込む力、消化機能衰退
・運動量減少のため、空腹感がない
・食べる動作が遅く、時間がかかる
・疲れてしまい食べきれない

認知症

・食べるということがわからない
・落ち着いて座っていることが不可能
・介助者の手助けを拒否
・偏食がある

食べる環境

・1人で食べるのが寂しい、楽しくないと感じている
・家族と異なる食事に対する疎外感を感じている
・箸や食器が合っていない
・姿勢が悪い

それぞれ個人の原因を発見、分析し、解決することが大切になります。

低栄養の早期発見

★体重の測定 体重の減少は低栄養を発見するために最も重要な指標です。 ・体重が6ヶ月間に2~3㎏減少した ・1~6か月の体重減少率が3%以上である …当てはまった方は要注意!!

★体重の測定
体重の減少は低栄養を発見するために最も重要な指標です。
・体重が6ヶ月間に2~3㎏減少した
・1~6か月の体重減少率が3%以上である

…当てはまった方は要注意!!

★血清アルブミン値
血清アルブミン値が3.5g/dl を下回ると内臓たんぱく質減少などがみられると報告されています。
定期的に血液検査を受けるようにしましょう。

★血清アルブミン値 血清アルブミン値が3.5g/dl を下回ると内臓たんぱく質減少などがみられると報告されています。 定期的に血液検査を受けるようにしましょう。

★BMIを計算してみましょう
BMI(体格指数)が18.5未満は「やせ」に分類されます。
BMI=体重(㎏)÷(身長(m)×身長(m))
例) 身長160㎝、体重50㎏の場合
50÷(1.6×1.6)=19.5
18.5未満は注意が必要です!!

★血中コレステロール値 コレステロール値が高すぎる場合は危険ですが、低すぎても死亡率が高くなると言われています。 低栄養は血中コレステロールの低下の原因の1つといわれています。 低栄養リスクの目安:150mg/dl未満

★血中コレステロール値
コレステロール値が高すぎる場合は危険ですが、低すぎても死亡率が高くなると言われています。
低栄養は血中コレステロールの低下の原因の1つといわれています。
低栄養リスクの目安:150mg/dl未満

定期的に自分の体の状態を見直し、低栄養を予防して健康寿命を延ばしましょう!!

エビは、高タンパク、低脂肪で糖質がゼロ。その上、血中コレステロールを下げ、生活習慣病の予防に効果のあるタウリンを豊富に含んでいます。ナンプラーがなければしょうゆや中華スープの素で味付けを。

材料(2人分)
エビ:100g
卵:2個

酒:大さじ1 水:大さじ1
ナンプラー:小さじ1
塩:少々
コショウ:少々

作り方
① 中華鍋にゴマ油を入れて熱し、割りほぐした卵を入れて半熟まで炒めて取り出しておく。
② エビは殻と背ワタを取って中華鍋に入れ、酒、水を加えてフタをして蒸し煮にする。
③ エビに火が通ったらもやしを入れてさっと炒め、塩、コショウ、ナンプラーで調味し、最後に①の卵を戻し入れて、全体を軽く混ぜるように炒める。  (1人当たり 170kcal)

もっとレシピを知りたい方は→http://www.genkitokirei.com/