2011年2月号 『滋養強壮の食材 山芋』

東海道薬局・管理栄養士のおすすめ山芋料理

山芋は消化のよい食品で、消化酵素アミラーゼを大根の3倍程度も含んでいます。ぬめりのもとはタンパク質とマンナンが結合したミューシンと呼ばれる成分で食物繊維と似たような働きがあります。コリン・サポニン・ムチンなどの微量栄養素も含み、昔から滋養強壮に山芋が用いられてきました。 一般的に、長芋、自然薯、大薯(だいしょ)をまとめて山芋と呼んでいます。多く栽培され、手に入りやすいのは長芋です。

ごま麦とろ

【管理栄養士のワンポイントアドバイス】
山芋はでんぷんを分解する消化酵素を多量に含んでいるため、胃腸が弱っている時でも安心して食べることができる食品です。ヌメリは糖たんぱくのムチンで、たんぱく質の吸収を促進する働きに優れています。ごまに豊富に含まれるオレイン酸やリノール酸が血中コレステロール値の低下に働き、山芋と一緒に取ると生活習慣病の予防が期待できます。ビタミンB群が豊富に取れる食べ合わせです。

・材料(一人分)
 山芋     100g
 白ごま    30g
 だし汁    大さじ2
 麦飯     茶碗1杯分

・作り方
①山芋は皮をむき、酢水に浸ける。
② 山芋をすり鉢の周りですり、すりこ木でさらによくする。
③ ごまは弱火でよく煎り、すり鉢でよくする。
④ ②にごまとだし汁を加え、さらによくすり混ぜる。
⑤ 器に盛り、わさびを添えてひねりごまを振り、うずら卵を添える。

しらすのカレー粉揚げ

【管理栄養士のワンポイントアドバイス】
しらすはカタクチイワシの稚魚を干したもので、トリプトファンやカルシウム、ビタミンDなどを豊富に含んでいる魚です。トリプトファンが神経を落ち着かせ、カルシウムとビタミンDがその働きをさらに高めます。骨粗鬆症の予防にも有効です。山芋が滋養強壮に、カレー粉の抗酸化力が免疫力強化に働きます。

・材料(二人分)
 しらす   50g
 玉葱    1/6個
 じゃがいも 5mm厚さの輪切り8枚
 山芋    50g
 カレー粉  小さじ2/3
 片栗粉   適量
 揚げ油   適量 
 大根おろし 好みで添える

・作り方
① 玉葱は薄切りにする。
② ボウルに山芋をすりおろし、しらす干し、たまねぎ、カレー粉、塩を入れ混ぜ合わせる。
③ じゃがいもの片面に片栗粉を振り、②を平に乗せる。
④ 揚げ油を180℃に熱し、③のじゃがいもの面を下にして入れ、揚げる。
⑤ 器に盛り、好みで大根おろしを添える。

山芋入り茶碗蒸し

【管理栄養士のワンポイントアドバイス】
山芋のネバリには肌に弾力を与え関節液を作るコンドロイチンや、新しい軟骨の生成を促進するグルコサミンなどが含まれています。なめこをプラスすることでコンドロイチンの摂取量がさらに高まります。エビと卵の良質なたんぱく質がグルコサミンの合成に働き、関節痛の予防に有効です。体を温め栄養価も高い一品です。

・材料(二人分)
 長いも   50g
 なめこ    40g
 エビ     4尾
 卵      1個
  A  だし汁  1カップ
     塩    小さじ1/3
     みりん  小さじ1

・作り方
① 鍋にAを入れて煮立て、粗熱が取れたらよく割りほぐした卵液を加え、布巾で漉す。
② 長いもは皮をむき、4等分の輪切りにし、酢水に浸けてアクを抜く。
③ エビは殻をむき、背ワタを取る。
④ 器に長いも、エビ、なめこを入れ、卵液を注ぐ。
⑤ ④を蒸気の立った蒸し器に入れ、始めに強火で1~2分、弱火にして12~13分蒸す。

きのこ入り豆腐のがんもどき

【管理栄養士のワンポイントアドバイス】
干ししいたけときくらげは抗ウイルス・抗がん作用に優れた食材です。血液中の過剰な中性脂肪やコレステロールを体外に排出する働きを持っており、木綿豆腐と一緒に取ると、豆腐のたんぱく質やサポニンの働きがプラスされ、脂質異常の予防に有効な食べ合せになります。ごぼうや人参に含まれる食物繊維が血管壁のコレステロール沈着予防効果をさらに高めます。

・材料(二人分)
  干ししいたけ   1枚
  きくらげ      2個
  木綿豆腐    1/2丁
  山芋       15g
  ごぼう       10g
  人参       10g
  枝豆       12粒
  塩        小さじ1/2
  揚げ油     適量
  大根おろし、しょうゆ  適量

・作り方
①干ししいたけは水で戻し、石づきを取り、かさと軸を細切りにする。
②きくらげは水で戻し、細切りにする。
③ごぼうは皮をこそげ、ささがきにし水に放す。
④人参は細切りにする。
⑤豆腐を布で包み、まな板にはさみ、上に重しをして水きりする。水きりした豆腐を布巾で包み、手でよくもみほぐす。
⑥山芋は皮をむき、すり鉢のまわりでする。
⑦⑥に豆腐を入れ、塩を加えてよくする。
⑧⑦に干ししいたけ、きくらげ、ごぼう、にんじん、枝豆を入れ、しゃもじでよく混ぜ合わせる。
⑨6等分に分け、手に水をつけ丸める。
⑩揚げ油を170℃に熱し、⑨を静かに入れ、キツネ色に揚げる。
⑪器に盛り、大根おろしとしょうゆを添える。

酒まんじゅう

【管理栄養士のワンポイントアドバイス】
この日に作られる酒まんじゅうは、本来は米麹を使って作られます。米麹を使うことで冬場の餅の代わりにしたものですが、現在では酒かすや日本酒を利用して作られるのが一般的です。酒種の発酵による炭酸ガスを利用して皮を膨らませます。ここでは山芋を加えて新陳代謝を高め、体力をより強化する酒まんじゅうを作りましょう。しっかりした生地にしたい時は薄力粉の量を増やしてください。

・材料(8個分)
 薄力粉   100g
 山芋     50g
 A 酒かす  50g
    酒   30cc
    砂糖  80g
 小豆あん  160g
 打ち粉    適量

・作り方
① 薄力粉はよく振るっておく。
② 小豆あんは8等分に分け、丸める。
③ 酒かすは細かくちぎり、酒でよく溶く。好みで粒々が残っていてもよい。
④ 山芋は皮をむき、すり鉢の周りですりおろし、すりこ木でよくする。
⑤ ④に砂糖と③を加え、よくすり混ぜる。
⑥ ボウルに⑤と薄力粉を入れて混ぜ合わせる。※生地がやわらかいので木ベラで混ぜてもよい。
⑦ 台に打ち粉をし、手粉をつけながら、1個分の生地を丸く置く。
⑧ 生地の上に小豆あんを乗せ、生地で包み込み、形を整える。
⑨ 蒸気の立った蒸し器に絞った濡れ布巾を敷き、⑧をくっつかないように並べ、中火で約10分、弱火で約5分蒸す。※濡れ布巾の代わりに、まんじゅうの底にへぎ板をつけてもよい。
⑩ 蒸し上がったら団扇で扇いで冷やし、ツヤを出す。