2016年3月号 『糖尿病』

糖尿病の薬物治療糖尿病の治療目標は、血糖値などを良好にコントロールすることにより、網膜症などや心筋梗塞などの発症や進行を防ぎ、健康な人と変わらない日常生活を送ることです。治療の基本は、食事療法と運動療法ですが、それでも血糖が十分にコントロールできないときには薬物療法をします。

糖尿病の薬物治療

糖尿病の治療目標は、血糖値などを良好にコントロールすることにより、網膜症などや心筋梗塞などの発症や進行を防ぎ、健康な人と変わらない日常生活を送ることです。
治療の基本は、食事療法と運動療法ですが、それでも血糖が十分にコントロールできないときには薬物療法をします。

糖尿病の内服薬

糖尿病治療に用いる内服薬にはいろいろな種類があります。
①インスリンの働きを改善する薬、②糖の吸収を遅らせる薬、③インスリンの分泌を促進する薬などがあります。
患者さんの血糖値や、インスリンの分泌量、インスリンの働き方によって薬が選ばれ、これらは併用することがしばしばあります。

①インスリンの働きが悪いことをインスリン抵抗性といい、インスリン抵抗性を改善することによりインスリンを効率よく働かせ、血糖値を下げます。
②食物中の糖質は小腸でブドウ糖へ消化されて体内に入ります。ブドウ糖の吸収を遅らせることにより食後の高血糖を抑制する薬があります。
③インスリンは、すい臓から分泌されるホルモンで、血糖値を下げる働きがあります。インスリンの分泌が不十分な場合に、分泌を促すことにより血糖値を下げます。

低血糖に注意

内服薬やインスリンで治療をしているときは、低血糖に注意が必要です。
薬の量や食事の時間が不適切であるなどにより、血糖値が大きく低下するためです。
低血糖がひどくなると、意識を失うこともあります。

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低血糖の対処方法

低血糖症状が出たときは、ただちに糖分を補給します。対処法としては、ジュース・缶コーヒーやスポーツドリンクを飲む、砂糖を摂取するなどです。
またα-グルコシダーゼ阻害薬を服用している場合は、ブドウ糖以外の糖質は吸収されにくいので、なるべくはブドウ糖を携帯しましょう。(ファンタグレープ・フオレンジ、ハイシーアップル・オレンジ コカ・コーラ はちみつレモン等はブドウ糖を多く含んでいますので代用できます)

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飲み忘れの対策

糖尿病は自覚症状があまりみられないことがあります。
そのため、うっかり飲み忘れは、多くの方が経験されていることかもしれません。
しかし、飲み忘れが習慣になり、さらにそれを放置すると、合併症が起きることがあります。

合併症を防ぐために、●飲む時間を一定にする●薬を置く場所を決めておく●家族に声をかけてもらうなどにより、毎日キチンと服用しましょう。

合併症を防ぐために、
●飲む時間を一定にする
●薬を置く場所を決めておく
●家族に声をかけてもらう
などにより、毎日キチンと服用しましょう。