2015年1月合併 『「アルツハイマー型認知症」等について』

はじめに

歳を取ればだれでも思い出したいことがすぐに思い出せなかったり、新しいことを憶えるのが困難になったりしますが、これは「加齢によるもの忘れ」です。
「加齢によるもの忘れ」とは違い、体験したこと自体を忘れてしまったり、もの忘れの自覚がなかったりする場合があります。これが「認知症」と呼ばれています。
今回は、認知症の中で最も多い「アルツハイマー型認知症」からの話題です。

アルツハイマー型認知症の症状とは?

加齢によるもの忘れは、「お昼ごはんに何を食べたか思い出せない」などの出来事の一部を忘れる事ですが、アルツハイマー型認知症は「お昼ごはんを食べたこと自体」、つまり出来事全体を忘れてしまうことです。
つまり、アルツハイマー型認知症の症状は、記憶の障害、判断力低下、話している言葉が理解できない、時間や場所がわからない等の症状があります。
その結果、個人差もありますが、一人で歩き回る、不安や幻覚が現れる、怒りっぽくなる、意欲がなくなるなどの症状が現れ、そのほかにもイライラ、興奮、暴力行為、妄想、うつ状態、自発性低下などが現れます。

アルツハイマー型認知症の経過は?

アルツハイマー型認知症の経過は、症状が徐々に進んでいくのが特徴で、いつの間にか発症し、何単位の時間をかけて徐々に進行し、3~4年から10数年と経過に個人差があります。

アルツハイマー型認知症の治療は?

アルツハイマー型認知症の主な治療には、ご本人の感情や興味を刺激し、心の安全をはかる「非薬物療法」とアルツハイマー型認知症薬などによる「薬物療法」があります。
「非薬物療法」には、ご本人の懐かしく楽しい思い出を引き出し、経験を共有し心地よい時間を過ごしてもらう「回想法」や、音楽によって心身ともにリラックスすることによりストレスの緩和をはかる「音楽療法」、その他「運動療法」「レクリエーション療法」など様々な療法があります。
「薬物療法」は医師の指示のもと、アルツハイマー型認知症薬で症状の進行を遅らたり、不安や妄想などの症状を抑えるお薬による治療があります。

認知症、こんなことが思い当れば

今までは、アルツハイマー型認知症の話題が主流でしたが、最近では、認知症は他にも脳血管性認知症、レビー小体認知症、前頭側頭型認知症などの種類が話題になっております。
ご本人または、家族の方が「もの忘れがひどい」「判断・理解力が衰えた」「場所・時間がわからない」「人柄が変わる」「不安感が強い」「意欲が無くなる」などが思い当れば、かかりつけ医に相談されてはいかがでしょう。

まとめ

高齢化の進展とともに、認知症の人数も増加していて、平成22年時点で65歳以上の7人に1人が認知症とも考えられていて、今後も増加すると予想されています。
当薬局ではジェネリック薬品も含めたアルツハイマー型認知症薬やその他のお薬を取り揃えておりますので、お気軽にご相談ください。