2013年10月号 『わかりやすい貧血の知識』

栄養かわら版 平成25年10月号
~わかりやすい貧血の知識~

貧血とは?
体内では、鉄はヘモグロビン、ミオグロビンのように酸素を運搬する役割を持つ「機能鉄」と、肝臓や脾臓、骨髄などに貯蔵される「貯蔵鉄」があります。私たちの体はこの「機能鉄」が不足すると、それを補うために貯蔵鉄を利用し始めるのですが、これすら不足した状態になってしまうと、鉄欠乏症による貧血を起こすのです。

貧血の症状って?
体の中で起こっていること 貧血状態では身体が低酸素状態になっているので、生命を維持するために様々な反応が起きます。頭痛、めまい、神経痛、むかつき、動悸、顔の蒼白などが起こります。

貧血を予防するには?
予防のポイント 赤血球の寿命は約120日ほどで、毎日約4~5万個が脾臓で作り変えられています。この時、ヘモグロビンの中の鉄のほとんどは再利用されますが、排泄されてしまうものもあります。このため毎日の食事で鉄分を補う必要があるのです。

○食事のポイント

1.  鉄分の多い食品を積極的に摂りましょう
ひと言で「鉄」と言うけれど鉄(Fe)は「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」に分けられます。

○非ヘム鉄
野菜や大豆など主に植物性食品に多く含まれています。

○ヘム鉄
肉や魚など動物性食品に多く含まれています。ヘム鉄と非ヘム鉄の吸収率を比べるとヘム鉄の吸収は数倍高くなっています。鉄分の吸収率を上げるためにはビタミンCを一緒に取ると有効です。

2.  緑茶、紅茶、コーヒーは食事とは時間をずらして飲みましょう。
緑茶や紅茶、コーヒーに含まれるタンニンを鉄分と一緒に摂取すると、鉄分の吸収が悪くなります。

積極的に摂りたい栄養素

ビタミンC

鉄の吸収を良くするためにはビタミンCが大切です

こんな食材に含まれています
キウイ・イチゴ・柿・ピーマン・ブロッコリー・ほうれん草・じゃが芋さつまいもなど

ビタミンCには鉄の吸収を促し、ヘモグロビンの合成を助ける作用があります。また、赤血球の生成に必要な銅の吸収も良くします。

ビタミンB12

ビタミンB12は葉酸と協力して赤血球を生成します

こんな食材に含まれています
レバー類(鶏・牛・豚)・かき・あさり・しじみ・さんま・卵黄

動物性食品に多く含まれます。野菜中心の食生活の方は気をつけましょう。

葉 酸

葉酸はビタミンB12とともに造血に必要な成分です

こんな食材に含まれています
レバー類(鶏・牛・豚)・ほうれん草・春菊・枝豆

新しい赤血球を作るために葉酸が必要です。葉酸が不足すると、正常な赤血球ができなくなり、悪性貧血をひきおこします。通常の食事をしていれば不足する心配はないともいわれていますが、妊娠中、授乳中や成長期の子どもは不足しやすいので、多めの摂取を心がけましょう。

ビタミンB6

赤血球の生成に欠かせないビタミンです

こんな食材に含まれています
レバー類(鶏・牛・豚)・ほうれん草・春菊・枝豆

ビタミンB6はヘモグロビンが作られるためのタンパク質合成や細胞分裂に関わります。

○エネルギー:約180kcal ○鉄分2.9mgひじきは水溶性食物繊維や鉄分、カルシウムなどのミネラルを豊富に含んでいます。カルシウムの吸収にはタンパク質、鉄分の吸収にはタンパク質とビタミンCが欠かせません。大豆と菜の花を加えることで鉄分とカルシウムを効率よく摂れます。


○エネルギー:約180kcal ○鉄分2.9mg
ひじきは水溶性食物繊維や鉄分、カルシウムなどのミネラルを豊富に含んでいます。カルシウムの吸収にはタンパク質、鉄分の吸収にはタンパク質とビタミンCが欠かせません。大豆と菜の花を加えることで鉄分とカルシウムを効率よく摂れます。

材料(2人分)

ひじき:10g
大豆の水煮:75g
ニンジン:3cm
こんにゃく:小1/2個
油揚げ:1/2枚
菜の花:5~6本
ゴマ油:小さじ1
水:1/2カップ
酒:大さじ1
砂糖:大さじ1
しょうゆ:大さじ1

作り方
① ひじきは水で戻して水気を切っておく。
② ニンジン、油揚げは太めの千切り、こんにゃくは小さめの短冊に切る。菜の花はさっとゆでて3〜4等分に切る。
③ 厚手の鍋にゴマ油を熱し、ひじき、大豆、ニンジン、こんにゃく、油揚げを炒める。
④ 1〜2分炒めたら水と酒、砂糖、しょうゆを加えて5〜10ほど煮て、最後に菜の花を加える。



○エネルギー:約80kcal(1人分) ○鉄分1.4gほうれん草は、βカロテンと鉄分が豊富な野菜です。βカロテンは100g(約1/2束)で一日に必要な量が摂取できます。また、ビタミンA、B群、Cもバランス良く含まれているため、抗酸化作用が期待できるので風邪の予防にもおすすめです。


○エネルギー:約80kcal(1人分) ○鉄分1.4g
ほうれん草は、βカロテンと鉄分が豊富な野菜です。βカロテンは100g(約1/2束)で一日に必要な量が摂取できます。また、ビタミンA、B群、Cもバランス良く含まれているため、抗酸化作用が期待できるので風邪の予防にもおすすめです。

材料(2人分)

ほうれん草:1/2把
むきくるみ:10g
松の実:5g
豆腐:1/4丁
しょうゆ:小さじ1/2

作り方
① ほうれん草は茹でて軽く水気を切って4cm長さに切る。
② くるみと松の実(飾り用を数粒残しておく)をすりつぶし、豆腐も加えてすりつぶす。
③ ボールに① と② としょうゆを加えて和える。
④ 器に盛って松の実を飾る。

その他、メニューを利用したレシピを知りたい方は↓
http://www.genkitokirei.com/recipe