2014年6月号 『危険!!食中毒を予防しよう!!』

危険!! 食中毒を予防しよう!!

食中毒の主な原因

食中毒を引き起こす主な原因は、「細菌」「ウイルス」で、細菌もウイルスも目には見えない小さなものです。

細菌は温度や湿度などの条件が揃うと食物の中で増殖し、その食物を食べることで食中毒を引き起こします。一方、ウイルスは手や食物などを通じて体内に入り、腸管内で増殖して食中毒を引き起こします。

細菌が原因となる食中毒は夏場(6月~8月)に多く発生しています。食中毒を引き起こす細菌の多くは、室温(約20℃)で活発に増殖し始め、人間や動物の体温ぐらいの温度で増殖のスピードが最も速くなります。また、細菌の多くは湿気を好むため、気温も湿度も高くなる梅雨時に、食中毒が増え始めます

一方、ノロウイルスは、調理従事者から食品を介して感染する場合が多く、また、二枚貝に潜んでいることもあります。特に冬は、ノロウイルスによる食中毒が毎年多く発生しています。 このほか、毒キノコやフグなどの「自然毒」、殺菌剤などの「化学物質」なども、食中毒の原因となっています。

このようにさまざまな原因物質によって、食中毒は1年中発生しています。6-2014 img 2

腸管出血性大腸菌 (O-157やO-111など)

牛や豚などの家畜の腸の中にいる病原大腸菌。毒性の強いベロ毒素を出し、腹痛や水様便、出血性の下痢を引き起こします。腸管出血性大腸菌は食肉などに付着し、生肉を食べたり、加熱不十分な肉を食べたりすることによって食中毒を発症します。乳幼児や高齢者などは重症化し、死に至る場合もあります。

カンピロバクター

牛や豚、鶏、猫や犬などの腸の中にいる細菌で、この細菌が付着した肉を、生で食べたり、加熱不十分で食べたりすることによって食中毒を発症します。また、吐き気や腹痛、水様便が主な症状で、初期症状では、発熱や頭痛、筋肉痛、倦怠感などがみられます。

サルモネラ菌

牛や豚、鶏、猫や犬などの腸の中にいる細菌です。牛・豚・鶏などの食肉、卵などが主な原因食品となるほか、ペットやネズミなどにより食物に菌が付着する場合もあります。菌が付着した食物を食べてから半日~2日後ぐらいで、激しい胃腸炎、吐き気、嘔吐、腹痛、下痢などの症状が現れます。;

 セレウス菌

河川や土の中など分布している細菌です。土がつきやすい穀類や豆類、香辛料などが主な感染元となり、それを調理したチャーハンやスパゲティ、スープなどが原因食品となっています。毒素の違いによって、症状は嘔吐型と下痢型の症状に分けられます。嘔吐型は食後1~5時間後、下痢型は食後8~16時間後に症状が現れます。セレウス菌は熱に強いため、加熱による殺菌が難しいのが特徴です。ただし、少量では発症しないため、菌を増やさないことが重要です。 6-2014 img 46-2014 img 3

ブドウ球菌

ブドウ球菌は自然界に広く分布し、人の皮膚や喉にも存在します。調理する人の手指に傷があったり、傷口が化膿したりしている場合は、食品を汚染する確率が高くなります。食品中で菌が増殖し、毒素がつくられると食中毒を引き起こします。ブドウ球菌は、酸性やアルカリ性の環境でも増殖し、つくられた毒素は熱や乾燥に強いという性質があります。汚染された食物を食べると、3時間前後で急激に嘔吐、下痢などが現れます。

 

ノロウイルス

ノロウイルスは手指や食品などから体内に入ることによって感染します。その後腸の中で増殖し、嘔吐、下痢、腹痛などを引き起こします。ノロウイルスに汚染された二枚貝(牡蠣など)の食品を加熱不十分で食べたり、ノロウイルスに汚染された井戸水などを飲用し感染するほか、ノロウイルスに感染した人の手や唾液、糞便、嘔吐物などを介して、二次感染することもあります。

食中毒予防3ヶ条   1.つけない!  2.増やさない!  3.殺菌する!

1. つけない・・・調理環境は清潔に、手洗いはしっかりしましょう。6-2014 img 5

2. 増やさない・・・食材は冷蔵品は10℃以下、冷凍品は-10℃以下で保存しましょう。調理してすぐ食べないものは荒熱を取った後、必ず冷蔵庫で保管しましょう。
3. 殺菌する・・・調理器具は洗浄後、定期的に消毒するようにしましょう。また、肉類は生食せず、しっかり加熱してから食べましょう。6-2014 img 6
(中心温度が75℃以上で1分以上加熱、ノロウイルスは85℃以上1分以上加熱)

6月のおすすめレシピ

肉は中までしっかり加熱しましょう

材料(2人分)

豚薄切り肉  120g

インゲン   4~5本

ニンジン   20g

エノキダケ  1/4束

6月の旬野菜 インゲン

エネルギー:約170kcal

エネルギー:約170kcal

① インゲンはスジを取って3等分に切り、ニンジンは太めの千切りにし、どちらもさっとゆがいて水気を切っておく。

② エノキダケは半分に切り、椎茸は5mm幅に切る。

③ 豚肉を広げてインゲン、ニンジン、エノキダケ、椎茸を並べて手前から巻き、巻き終わりを下にする。

④ ③をフライパンに転がしながら焼いて、塩、コショウする。豚肉の表面に焼き色がついたら取り出して斜めに切る。