2010年12月号 『冬の青菜の代表 ほうれん草!!!』

東海道薬局・管理栄養士のおすすめほうれん草料理

ほうれん草は年間を通して手に入りますが、栄養価が高まり、おいしさも増す旬の季節は冬です。霜にあたって甘みが増すと言われています。ほうれん草はとても栄養価が高く、緑黄色野菜の代表です。とくにカロチンやビタミンC、鉄分を多く含んでいます。カロチンは抗酸化作用があると言われ、発ガン性物質の毒性を軽減して、がん予防に効果が期待できるほか、動脈硬化を防ぐ作用もあるとされています。またカロチンとビタミンCの相乗的な効果で、肌荒れの防止、かぜ予防にも有効です。 根元の赤い部分には骨を丈夫にするマンガンが豊富に含まれていますので、捨てずに食べるようにしましょう。 ビタミンB1・B2、カルシウムなどの不足しがちな栄養素を含んでいて、消化も良い食材なので体質改善や病人にも向いています。

たらとほうれん草のグラタン

【管理栄養士のワンポイントアドバイス】
淡白な味のタラは、コクのあるクリームと一緒に調理するととてもおいしくなります。良質なたんぱく質が豊富に取れるため、体に力がつきます。牛乳やチーズのカルシウムがプラスされ、歯や骨が強化され骨粗鬆症の予防にも優れています。ほうれん草やじゃがいものビタミンCがプラスされて毛細血管が強化され、栄養バランスが高まります。

・材料(二人分)
タラ(切り身) 2切れ
  ほうれん草 1束
じゃがいも 1個
A バター 20g
  小麦粉 20g
  牛乳  2カップ
  塩、こしょう 各適量
B パルメザンチーズ 大さじ1
  パン粉 大さじ1

・作り方
1、 タラは一口大に切り、塩、こしょうをし、バター(分量外)でソテーする。
2、ほうれん草は熱湯でさっとゆで、水に放して絞り、3cm長さに切る。
3、じゃがいもは皮をむいてゆで、粗くつぶしておく。
4、 鍋にAを入れ、よくかき混ぜながら弱火で煮、ホワイトソースをつくる。
5、4に1、2、3を入れてさっと混ぜ合わせ、グラタン皿に盛り、上からBをかける。
6、 180℃に熱したオーブンに入れ、18~20分、表面にこんがり焼き色がつくまで焼く。

ほうれん草のピーナツ和え

【管理栄養士のワンポイントアドバイス】
ピーナツバターと煮干粉を使う、手軽でヘルシーなレシピです。煮干粉を使用することでカルシウムをアップしました。ピーナツやほうれん草に含まれるマグネシウムにより、さらにカルシウムの吸収率が高まります。

・材料(四人分)
煮干粉 小さじ1
ほうれん草 200g
A ピーナツバター 大さじ3
醤油 大さじ1
砂糖 小さじ1

・作り方
1、塩少々を加えた熱湯でほうれん草をさっとゆで、冷水にとり、水けをしぼり、3cm程度に切る。
2、Aの材料と煮干粉を混ぜ合わせ、1と和える。

ほうれん草の蒸しパン

【管理栄養士のワンポイントアドバイス】
ほうれん草をたっぷり使った蒸しパンです。カロチンとビタミンEが効率よく取れ、レーズン、くるみともに抗酸化力に優れた種実なので、美肌や老化防止が期待できます。鉄分が貧血を予防し、砂糖の糖質は吸収力が早いので、疲労時の即エネルギー源となります。砂糖はミネラルを含有しているものを使うと栄養価はさらに高まります。

作り方
・材料(カップ5個分)
 ほうれん草 1/2束
 小麦粉 100g
 砂糖 70g
 牛乳 70cc
 ベーキングパウダー 小さじ1
 レーズン、くるみ 合わせて5g

・作り方
1、 ほうれん草はゆでてから水気を絞り、細かく刻む。
2、 小麦粉とベーキングパウダーはよく合わせておく。
3、 砂糖と牛乳を火にかけ、煮溶し、冷ましておく。
4、 レーズンとくるみは粗く刻んでおく。
5、 ボウルに2、3、1、4の順番に入れ、そのつどよく混ぜる。
6、 5をカップに半分位注ぎ、蒸気の上がった蒸し器で13~15分蒸す。

鶏モモ肉とほうれん草のトマト煮

【管理栄養士のワンポイントアドバイス】
良質なたんぱく質を持ち、消化のよい鶏肉は、昔から滋養食として食べられていた食材です。脂質は不飽和脂肪酸が多く、生活習慣病を心配することなく食べることができます。ビタミンAが豊富でお腹を温める作用を持っており、鉄・葉酸・マンガンなどの増血作用を持つほうれん草と食べ合わせると、冷え性改善に有効に働きます。にんにくやトマトで抗酸化力も高まります。

・材料(二人分)
 鶏モモ肉 180g
 ほうれん草 3束
 玉ねぎ 100g
 にんにく 1片
 スープ 1/2カップ
 トマト缶 200g
 オリーブ油 大さじ1
 塩、こしょう 各少々

・作り方
1、鶏肉はよく洗い、大き目の一口大に切る。
2、ほうれん草はよく洗い、根を切り、ざく切りにする。
3、玉ねぎとにんにくはみじん切りにする。
4、鍋にオリーブ油を熱し、玉ねぎとにんにくを弱火で炒める。
5、玉ねぎがしんなりしてきたら塩・こしょうを振り、鶏肉を加え中火で炒める。
6、5にスープとトマト缶を入れ、中火で煮る。
7、汁が半量になったらほうれん草を加えてひと煮立ちさせ、塩・こしょうで味を調える。

しじみと大根、ほうれん草スープ

【管理栄養士のワンポイントアドバイス】
しじみは鉄分、ビタミンB12、葉酸などを含み、とくにビタミンB12の含有量は貝類の中ではトップクラスです。大根とほうれん草のビタミンCを一緒に取ることで、鉄分吸収率が高まり、貧血予防に優れた働きを発揮します。

・材料(二人分)
スープ 2カップ
しじみ 250g
大根 5cm
ほうれん草 2束
ごま油 大さじ1
たたき梅 小さじ1
塩、こしょう 各少々

・作り方
1、しじみは水の中でカラをこすり合わせてよく洗う。
2、大根は千切りにする。
3、ほうれん草は熱湯でさっとゆで、水の中で振り洗いをし、絞ってから5cm長さに切る。
4、鍋にごま油を熱し、大根を入れてさっと炒める。
5、しじみとスープを入れて強火にし、沸騰したら中火にして5~6分煮る。アクをキレイに取る。
6、ほうれん草を加え、塩、こしょうで味を調える。
7、器に盛り、たたき梅を添える。