2011年1月号 『体を温める食材 白菜』

東海道薬局・管理栄養士のおすすめ白菜料理

白菜は一年を通して手に入れることができますが、12月~2月の寒い季節は甘みがのり、旬となります。白菜の芯にはビタミンCや鉄、カルシウム、カロチンが豊富に含まれます。白菜には体を温める作用があり、特にビタミン豊富な豚肉とあわせると、風邪の予防や初期症状にとても効果があると言われています。栄養面では千切りにするなどして、生で食べるのが最もよいと言えますが、水分が95%以上を占める白菜は煮ることによって、たくさんの量を食べることができます。特に栄養が多く、甘みも強い芯の部分をしっかり食べるようにしましょう。

白菜と鶏ささみの梅肉和え

【管理栄養士のワンポイントアドバイス】
カルシウム、カリウム、亜鉛などのミネラル類が豊富な白菜に、消化がよく体を温める作用の高い鶏肉をプラスした一品は、体内の塩分や余計な水分を排出して体調を整え、体力がつきます。青じそや梅肉は坑酸化力に優れ、細胞を酸化から守ると同時に食欲を増進させる効果もあります。白菜のビタミンCを生かすため、加熱は短時間にしましょう。

・食材(二人分)
白菜    150g
鶏ささみ  70~80g
青じそ   4枚
A 梅肉  大さじ1
  みりん 小さじ1
  酒   小さじ1/2
  砂糖、しょうゆ 少々

・作り方
①白菜はさっとゆで、ざく切りにし、水気を絞る。
② 鶏ささみは熱湯でゆで、細かくさいておく。
③ 青じそは細い千切りにする。
④ ボウルにAを入れてよく混ぜ、①、②、③を加えて和える。

白菜とごぼう、ツナの牛乳スープ

【管理栄養士のワンポイントアドバイス】
白菜にはジチオールチオニンという成分が含まれており、細胞を発がん物質から守る働きを持っています。抗がん効果はごぼうの食物繊維リグニンや牛乳や豆乳の栄養価がプラスされることで、さらに高まります。白菜とごぼうの食物繊維が便秘解消やコレステロール低下に働き、ダイエット効果も期待できるスープです。

・食材(二人分)
 白菜  250g
 ごぼう 50g
 ツナ缶 75g
 スープ 1カップ
 牛乳  1/2カップ
 豆乳  1/2カップ
 塩、こしょう 適量

・作り方
① 白菜は2cm幅に切る。大葉の場合は縦半分に切ってから2cm幅に切る。
② ごぼうは皮をこそげ、ささがきにし、水に放す。
③ 鍋にツナ缶をオイルごと入れ、白菜とごぼうを加えて炒める。
④ ③にスープを加えて中火で約5~6分煮る。
⑤ 白菜がやわらかくなったら牛乳と豆乳を入れ、ひと煮立ちしたら塩・こしょうで味を調 える。牛乳を入れたら沸騰しないように注意する。

牛肉鍋

【管理栄養士のワンポイントアドバイス】
牛肉のたんぱく質はアミノ酸スコア100%の優れものです。ビタミンAも豊富で、白菜やれんこん、ねぎのビタミンCと一緒に風邪の予防に力を発揮します。れんこんやねぎの食物繊維が牛肉の脂質を体外に排出するので、肉の食べ過ぎの心配はいりませんよ。

・食材(二人分)
 牛肉  200g
 白菜  4枚
 れんこん 70g
 ねぎ  1本
 だし汁 4カップ
 A 酒  大さじ2
  しょうゆ 大さじ1
  みりん  小さじ1
 たれ  ポン酢

・作り方
① 白菜は5cm幅のざく切りにする。
② れんこんは皮をむき、薄い輪切りにし、酢水に放す。
③ ねぎは1cm幅の斜め切りにする。
④ 鍋にだし汁と①、②、③を入れ、沸騰したら中火にして煮る。
⑤ 野菜が煮えたらAを加え味を整え、牛肉を入れる。
⑥ 牛肉に火が通ったら、薬味を添え、ポン酢でいただく。

ゆずと白菜のお粥

【管理栄養士のワンポイントアドバイス】
ゆずはビタミンCが豊富で体を温める作用を持っています。同様にビタミンCが豊富な白菜には、体内の余分な熱を取り去る作用があるので、ゆずと白菜を一緒に食べ合わせるお粥は、熱のある初期の風邪に有効です。血行をよくするもち米をプラスして体力を増強し、白菜の特殊成分ジチオールチオニンが細胞の酸化を予防します。

・食材(二人分)
 白米   1/4カップ
 もち米  1/4カップ
 水     3と1/2カップ
 ゆずの皮 7~8g
 白菜   100g
 塩     適量

・作り方
① 白米ともち米を洗い、鍋に分量の水と一緒に入れ、3~4時間置く(できれば一晩)。
② ゆずの皮は細く切る。
③ 白菜は1cm幅に切る。
④ ①に白菜を入れ、中火にかける。煮立ったら弱火にして、フタを少しずらして乗せ、20~25分コトコト炊く。
⑤ 塩で味を調え、ゆずの皮を飾る。

そばと白菜のマリネ

【管理栄養士のワンポイントアドバイス】
そばの主成分であるでんぷんは消化のよいのが特徴で、即エネルギー源となる優れものです。たんぱく質は良質でビタミンB1やB2が豊富に含まれているため、疲れを取り去りエネルギー源となります。白菜やアサリと一緒に取ると、白菜のビタミンCやカリウム、アサリのタウリンやビタミンB12の働きで、高血圧・脂質異常・初期の糖尿病の予防に有効な食べ合わせになります。

・材料(二~三人分)
 そば  60g
 白菜  1枚
 パプリカ 20g
 アサリのむき身 20g
 A  オリーブ油    大さじ3
   ワインビネガー  大さじ1
   レモン汁     大さじ1
   塩、こしょう   少々
   白ごま      大さじ1 
   ねぎのみじん切り 小さじ1

・作り方
① 白菜はよく洗い、葉の部分はざく切りにし、白い茎の部分は薄いそぎ切りにしてから細切りにする。
② パプリカは網で表面をさっと焼き、細切りにする。
③ ボウルにAを入れてよく攪拌し、マリネ液を作る。
④ ③のマリネ液にそば、白菜の茎部分、パプリカ・アサリを入れて混ぜ、味をなじませる。
⑤ 器に白菜の葉の部分を敷き、上に④を盛り付ける。