2011年3月号 『春の旬な食材 たけのこ』

東海道薬局・管理栄養士のおすすめたけのこ料理

たけのこにはビタミンCやビタミンB2などを含みますが、それほど栄養価は高くありません。食物繊維は豊富ですので、便秘や大腸ガンの予防に効果があります。またカリウムも豊富に含まれ、体内の塩分バランスを調整し、体外に排出するので、むくみや高血圧に効果があります。 カロリーが低く、食物繊維が豊富ですのでダイエット時にもおすすめです。 たけのこの皮には防腐効果があるので、おむすびなどを包むのに適しています。

たけのこご飯

【管理栄養士のワンポイントアドバイス】
下味をつけたたけのこを炊き込んでつくるたけのこごはんは、春の香りを満喫できる春ならではの料理です。食物センイとカリウムが豊富で、便秘を解消し、高血圧を予防します。油揚げの植物性たんぱく質は良質で、ごはんの糖質と一緒にエネルギー源となります。たけのこに豊富に含まれるチロシンには、頭の回転をよくする働きがあります。

・材料(二人分)
たけのこ(ゆでたもの) 150g
油揚げ    1枚
米      2カップ
塩      小さじ1/3
木の芽    5~6枚
A だし汁  2カップ
  しょうゆ 大さじ1と1/2
  酒    大さじ2
  砂糖   大さじ1/2

・作り方
① たけのこは、穂先部分は3cm長さに切ってから縦5~6等分に切り、胴部分は3cm長さの短冊切りにする。
② 油揚げは熱湯を回しかけて油抜きし、縦半分に切ってから細切りにする。
③ 鍋にA、①、②を入れ、さっと煮る。
④ 米はよく研ぎ、ザルにあげておく。
⑤ 炊飯器に③の煮汁を入れ、塩を加えて味を調え、米を入れる。
⑥ ⑤の水加減を整え(分量が足りなかったら水を足す)、③の具を乗せ、炊く。
  ※1時間以上おいてから炊くとよい。
⑦ よく蒸らしてからサックリ混ぜ、器に盛り、木の芽を飾る。

たけのこと豚バラ肉の炒め物

【管理栄養士のワンポイントアドバイス】
たけのこに、豚肉とレーズンをプラスした料理は、疲労感や倦怠感を防ぎ、腸の働きを高める一品です。たけのこの食物センイにはコレステロールを吸収する働きがあり、豚肉の脂質をからめ取ってくれるので、肉の脂質の取り過ぎを心配することなく食べられる組み合わせです。レーズンや木の芽には抗酸化力があり、細胞の酸化予防に有効に働きます。

・材料(二人分)
たけのこ(ゆでたもの) 350g
豚ばら肉        150g
レーズン        大さじ2
木の芽(好みで)    5~6枚
A しょうゆ      大さじ2
  酒、みりん     各大さじ1

・作り方
① たけのこは食べやすい大きさに切る。穂先は縦5~6等分に切り、中央部分は1cm幅の輪切り、根元は1cm幅の半月に切るとよい。
② 豚ばら肉は3cm長さに切る。
③ レーズンは熱湯に漬けてやわらかくしておく。
④ フライパンを熱し、豚ばら肉を入れ炒める。カリカリになるまでよく炒める。豚肉から出た脂の半量は取り除く。
⑤ ④に①を入れてよく炒め、Aを加え、汁気がなくなるまで炒める。最後にレーズンを入れ混ぜ合わせる。

たけのこと鶏ひき肉のつみれ

【管理栄養士のワンポイントアドバイス】
たけのこの根元のかたい部分を無駄なくおいしく食べる料理です。食物センイが多いたけのこに、消化吸収のよい鶏肉と抗酸化力の高いしいたけがプラスされ、栄養価の高いダイエットに有効な一品です。鶏肉の脂質は良質な不飽和脂肪酸が多く、たんぱく質に多く含まれるメチオニンには、ヒスタミンの血中濃度を下げる働きがあります。抹茶でビタミンCを補います。

・材料(二人分)
たけのこ(ゆでたもの) 150g
鶏ひき肉        100g
しいたけ        1枚
揚げ油 適量
A 片栗粉      小さじ1
  しょうゆ、酒   各小さじ1/2
  塩         少々
塩抹茶 塩:抹茶=1:1
付け合せ パセリ

・作り方
① たけのこはすりおろし、軽く水気を絞っておく。
② しいたけは石づきを取り、みじん切りにする。
③ ボウルに①、②、鶏ひき肉、Aを入れてよく練り混ぜる。
④ 揚げ油を170~180℃に熱し、③を小さな小判型に丸め、こんがり揚げる。
⑤ 器に盛り、抹茶塩とパセリを添える。

たけのことわかめのカツオ節がらめ

【管理栄養士のワンポイントアドバイス】
たけのことわかめは、ともに食物センイとカリウムを豊富に含んでいます。たけのこの食物センイは不溶性で腸の働きを活発にし、わかめの食物センイは水溶性で血中コレステロールを下げる働きに優れており、双方を取ることで整腸作用が高まり便秘予防に有効に働きます。カリウムは体内の塩分を調整して、血圧を正常に保ち、高血圧の予防に働きます。

・材料(二人分)
たけのこ(ゆでたもの) 200g
わかめ(生)      30g
削りカツオ節      10g
サラダ油        大さじ1
A みりん      大さじ1
  砂糖       小さじ1/2
  しょうゆ      大さじ1
木の芽(好みで)    2~3枚

・作り方
① たけのこは食べやすい大きさに切る。穂先部分は縦6等分にし、胴部分はいちょう切りにするとよい。
② 生わかめは水でさっと洗い、食べやすい大きさに切る。
③ 鍋に油を熱し、①を入れて炒め、油がなじんだらAを加え、中火で汁気がなくなるまで炒める。最後にわかめを入れさっと炒める。
④ 別鍋で削りカツオ節を焦がさないように煎る。
⑤ ③に④をからめ、器に盛り、好みで木の芽を飾る。

にらとたけのこの卵とじ

【管理栄養士のワンポイントアドバイス】
たけのこには食物センイとカリウムが豊富に含まれています。にらのカリウムと一緒に、利尿作用を高め、体内の余分な水分や老廃物を排出して、むくみや高血圧の予防に働きます。必須アミノ酸を含有する卵との食べ合わせは、卵に足りない食物センイをにらとたけのこが補い、栄養バランスに優れた一品になります。卵黄に含まれるレシチンは健脳作用に優れています。

・材料(二人分)
にら      100g
たけのこ(ゆでたもの・小) 1本(100g)
卵       2個
A だし汁   1カップ
  砂糖 小さじ2と1/2
  しょうゆ(薄口)大さじ1
  塩 小さじ1/3

・作り方
① にらは5cm長さに切る。
② たけのこは縦2つに切り、穂先部分は縦の細切りにし、根元部分は薄切りにする。
③ 卵は割りほぐしておく。
④ 鍋にAを入れて煮立て、②を入れて中火で3~4分煮る。
⑤ ④に①を広げるように乗せてさっとひと煮立ちさせ、③の卵液を中心から全体に回しかけ、フタをして弱火で1~2分煮る。
⑥ しばらくフタをしたまま蒸らし、器に汁ごと盛る。