2018年1月号『感染性胃腸炎(ウイルス性胃腸炎)』

感染性胃腸炎とは、細菌やウイルスなどの病原体による感染症です。ウイルス感染による胃腸炎が多く、毎年秋から冬にかけて流行します。主な原因となるウイルスには、アデノウイルス、ノロウイルス、ロタウイルスがありますが、急性性の胃腸炎としてはノロウイルスとロタウイルスが多いです。感染経路は、病原体が付着した手で口に触れることによる感染(接触感染)、汚染された食品を食べることによる感染(経口感染)があります。

●症状
病原体により異なりますが、潜伏期間は1~3日程度です。ノロウイルスによる胃腸炎では、主な症状は吐き気、おう吐、下痢、発熱、腹痛であり、小児ではおう吐、成人では下痢が多いです。有症期間は平均24~48時間です。ロタウイルスによる胃腸炎では、おう吐、下痢、発熱がみられ、乳児ではけいれんを起こすこともあります。有症期間は平均5~6日です。感染しても発症しない場合や、軽い風邪のような症状の場合もあります。

●治療
特別な治療法は無く、症状に応じた対症療法が行われます。乳幼児や高齢者では下痢等による脱水症状を生じることがありますので早めに医療機関を受診することが大切です。特に高齢者は、嘔吐物による誤嚥で肺炎を起こすことがあるため、体調の変化に注意しましょう。嘔吐の症状がおさまったら少しずつ水分を補給し、安静に努め、回復期には消化しやすい食事をとるよう心がけましょう。

●水分補給のポイント
胃腸炎のときの水分補給に最も適した飲み物は、経口補水液です。これは水分や塩分を腸からより速やかに吸収できるように、水分塩分糖分をバランスよく配合した飲み物です。特にお子様の場合は、一度にたくさん飲ませると胃腸に負担がかかって吐いてしまい、より脱水が懸念されます。最後の嘔吐から1~2時間ほどたってから開始し、スプーン胃腸炎のときの水分補給に最も適した飲み物は、経口補水液です。これは水分や塩分を腸からより速やかに吸収できるように、水分塩分糖分をバランスよく配合した飲み物です。特にお子様の場合は、一度にたくさん飲ませると胃腸に負担がかかって吐いてしまい、より脱水が懸念されます。最後の嘔吐から1~2時間ほどたってから開始し、スプーンを使って“少量ずつ頻繁に”を心がけましょう。を使って“少量ずつ頻繁に”を心がけましょう。

●予防
ロタウイルスによる感染症については、予防接種ワクチンがあり、乳幼児を中心に接種を受けることが行われています(任意接種)。ノロウイルスについては、予防接種はありません。
トイレの後や、調理・食事の前には、石けんと流水で十分に手を洗いましょう。
便や嘔吐物を処理する時は、使い捨て手袋、マスク、エプロンを着用し、処理後は石けんと流水で十分に手を洗いましょう。カキなどの二枚貝を調理するときは、中心部まで十分に加熱しましょう。発生時にトイレのドアノブや手すりなど、多くの人が触れる場所も消毒しましょう。消毒には市販の漂白剤を以下の濃度に薄めて使用しましょう。

簡易なハイター等の薄め方(市販の漂白剤:塩素濃度約5%の場合)
0.02%・・・トイレのドアノブや手すりなどに使用
0.1%・・・おう吐物・ふん便が付着した場合の処理に使用
(注)塩素ガスが発生することがあるので、使用時は十分に換気をしてください。