2018年9月号『災害に備えよう!~備蓄食について~』

災害に備えよう!~備蓄食について~

9月1日は防災の日です。いつ起きるかわからない大規模災害に対応できるよう、少なくとも1年に1度は日ごろの備えは万全かどうか見直してみましょう。

◆いざという時のための〝備蓄食〟用意していますか?
災害の直後は、物流がストップすることが予想されます。最低3日分(できれば7日分程度)は生活できるように、食料、飲料水の備蓄に努めてください。食料は3日分の非常食(調理不要なカンパン、缶詰めなど)を含む7日分程度の備蓄を、飲料水も3日分(1人1日3リットル)を備蓄するようにしてください。とはいえ、1週間分の備蓄を用意するのは大変です。災害時の備蓄は「食べ慣れた食品」も活用しましょう!
静岡県が平成27年度に行ったアンケート調査では、備蓄をしていると回答した世帯は85%ですが、7日分の備蓄をしている世帯は6.3%という状況です。普段からの買い置きやローリングストック(回転備蓄)を習慣づけて、大規模災害に備えましょう!

1人1日3リットルを、持出せる形で3日分。その他最低4日分を備蓄。それ以外に生活用水を確保(風呂の水をはっておくなど)。
食料1人1日最低1200キロカロリーを目標に、調理不要の形で3日分。その他最低4日分を備蓄。

◆避難時の非常持出し、ここがポイント

ひとくちに3日分の水、といっても、4人家族で3日分となりますと、3リットル×3日×4人=36リットルで、灯油のポリタンク2個分。重さは36kgになります。

食料は、避難地で動かずにじっとしている場合でも、成人ひとり1日当り1200キロカロリーが必要とされています。カンパン100g(缶入り1個)で約400キロカロリーですから、これで約1食分。

3日分の食料をカンパンだけでまかなう場合でも、4人家族で3.6kgが必要になります。もちろんただじっとしてはいられませんので、普通はこの1.5倍くらいが必要になるでしょう。

こう考えると、事前避難に際しても、なかなか膨大な荷物になります。リュックサックに詰め分けるとしてもその重さは10kgを超えるでしょう。リュックの重量は男性で15kg、女性で10kgを目安と考えましょう。

◆災害食のポイント①好物を備蓄する災害は不安やストレスをもたらし、心に傷を与えます。さらに食欲もなくなるので、自分へのお見舞いの気持ちで、「おいしいもの」「好物」を備蓄しましょう。

◆災害食のポイント

①好物を備蓄する

災害は不安やストレスをもたらし、心に傷を与えます。さらに食欲もなくなるので、自分へのお見舞いの気持ちで、「おいしいもの」「好物」を備蓄しましょう。

②ローリングストックする

備蓄する食品の賞味期限は、6カ月程度で十分です。なぜなら、ローリングストック(普段食べているものを多めに買い置きし、期限が切れる前に食べ、不足分を新たに補充する)方式なので、賞味期限が長い必要はありません。廃棄が出ないので、環境にも優しい方法です。

災害食は水分が少ないことを知っておく

災害食は長期保存を目的としているため、水分が少ないのが難点です。例えば、ごはんの水分は約60%ですが、米を乾燥させたアルファ米は5.5%です。100gのアルファ米を元のごはんの状態に戻すには、熱湯150ミリリットルが必要です。食パンの水分は38%ですが、乾パンの水分は5.5%しかありません。水分が少ないと、飲み込みにくく、のどが渇きやすくなります。また、全体的に味付けが濃いものが多いので、薄いものを選びましょう。

使い切りサイズを選ぶ

食品の分量は、使い切りサイズが望ましいでしょう。冷蔵庫が使用できないので、大きいサイズの缶詰などは残食が出てゴミ処理にも困ります。ゴミ処理で特に困るのは、カップ麺の汁です。東日本大震災の際、避難所に汁の捨て場所がないので、人々は無理に飲み干したと聞きます。インスタント麺を備蓄するなら汁のない焼きそばが、健康面でもゴミ処理面でも良いといえます。

⑤野菜や果物の加工品は大切

食品の種類は偏らないようにします。特にビタミン、ミネラルなどの微量栄養素、食物繊維が不足します。阪神・淡路大震災では、避難生活者は体調を崩し風邪をひきやすくなり、40%が便秘になりました。野菜や果物の加工品を備蓄することをお忘れなく。野菜ジュース缶は大切な助っ人です。

【ツナ缶の炊き込みご飯】

材料(1人分)分量(g)
75g
切り干し大根3g
ツナ缶10g
乾燥野菜2g
麺つゆ少々

①乾燥野菜をひたひたの水で戻す。

②米に材料を混ぜて炊く。

※ツナ缶は汁ごと入れて炊く。

 

非常食献立集:http://www.pref.okayama.jp/uploaded/life/104975_337589_misc.pdf