2018年10月号『新しい抗インフルエンザ治療薬 ~ゾフルーザについて~』

新しい抗インフルエンザ治療薬 ~ゾフルーザについて~

いよいよインフルエンザシーズンが到来する季節になりました。10月から予防接種も始まり、より一層、手洗いやうがいなど予防に気を付けなければいけない時期です。今回は、この季節に活躍が期待されるだろう新しい抗インフルエンザ治療薬の『ゾフルーザ®』についてご紹介致します。

いよいよインフルエンザシーズンが到来する季節になりました。10月から予防接種も始まり、より一層、手洗いやうがいなど予防に気を付けなければいけない時期です。今回は、この季節に活躍が期待されるだろう新しい抗インフルエンザ治療薬の『ゾフルーザ®についてご紹介致します。

ゾフルーザ®(バロキサビル)20182月に承認された、世界初の新規作用機序の経口薬です。A型とB型どちらのインフルエンザウイルス感染症にも適応があります。

服用が簡単!

一番の特徴は、1回服用するだけで治療が終わることです。これまでは、1回吸入(イナビル吸入粉末剤:1回につき数回吸入)するだけ、1回点滴(ラピアクタ点滴静注)するだけというものはありましたが、飲み薬で1回で治療が終了する薬は存在しませんでした。1回のみの服用にも関わらず、その有効性は、同じ経口薬である12回 5日間服用するタミフル®(オセルタミビル)とあまり変わらないと言われています。飲み薬という点で簡単でわかりやすく、1回の服用ということで、勝手な服用中断や余った薬を他人へ譲渡するなどの不適切な使用を防ぐことができます。

小児にも適用あり

成人だけでなく、体重10kgを超えれば小児でも使用可能です。これまで吸入がうまくできなかったお子様たちや、タミフルのドライシロップを数日間飲むことが大変だったお子様たちにとっても、大きなメリットです。今後はイチゴ風味の顆粒も発売される予定があります。

デメリットは?

 服薬の手間が少ないという利点はあるものの、新薬であるため高額であり、使用実績がまだ少ないといった点も考慮して、どの薬剤を選択するかは考えなければなりません。

●異常行動について小児・未成年者について、抗インフルエンザウイルス薬を投薬後に異常行動を発現した例が報告されています。薬との因果関係は不明であり、ゾフルーザの臨床試験においてもそのような報告はありませんが、抗インフルエンザの有無に関わらず、注意が必要です。自宅で療養を行う場合、投薬後少なくとも二日間は保護者の方は小児・未成年者が一人にならないよう配慮してください。

異常行動について

小児・未成年者について、抗インフルエンザウイルス薬を投薬後に異常行動を発現した例が報告されています。薬との因果関係は不明であり、ゾフルーザの臨床試験においてもそのような報告はありませんが、抗インフルエンザの有無に関わらず、注意が必要です。自宅で療養を行う場合、投薬後少なくとも二日間は保護者の方は小児・未成年者が一人にならないよう配慮してください。