2020年3月号 薬と飲み物

基本的には薬はコップ1杯の水・ぬるま湯で飲みましょう。

〇内服薬はコップ一杯の水またはぬるま湯で効果があらわれるように設計されています。
内服薬は溶けなければ吸収されず、効果も現れません。服用する時の水の量が少なかったり、水無しで服用した場合、薬は溶けにくくなるので吸収の速度が遅くなり、効果も充分に発揮されません。それだけでなく食道に引っかかったり、くっついたりして、そこで溶けてしまい、食道潰瘍を起こすことがあります。

〇最近では水なしで飲める口腔内崩壊錠もあります。こちらは水なしでも良いですし、水と一緒に飲んでもかまいません。

ミネラルウォーター×骨粗鬆症治療薬
ミネラルウォーターは水道水よりも多くのカルシウムやマグネシウムなどのミネラル分が含まれています。骨粗鬆症治療薬であるビスホスホネート系薬剤はミネラルウォーターで服用すると、体内でミネラル分と結合し、お薬の吸収が低下し作用が減弱してしまうため注意が必要です。

水以外の飲み物の影響

《牛乳》

牛乳×抗菌剤
牛乳にはカルシウムが含まれており、テトラサイクリン系やニューキノロン系の抗菌剤の成分と結びついて吸収が弱まることがあります。

牛乳×腸溶製剤
酸性の胃では溶けず、中性の腸で溶けるようにした「腸溶製剤」を、胃を中性に傾けてしまう牛乳でのむと、薬が胃で溶けてしまいます。効果が弱まるばかりか、胃を荒らす原因にもなります。いずれも、牛乳と2時間くらいずらして薬を服用するようにしてください。

《お茶》
鉄剤の吸収が悪くなると一般的に知られておりますが、これはお茶に含まれるタンニンが影響するためです。一般に家庭で飲まれている程度の緑茶の場合、鉄の必要量は吸収されるので気にされる必要は無いでしょう。

《お茶・紅茶・コーヒーなどのカフェイン含有飲料》
カフェインによる胃酸の分泌促進が薬の吸収に影響したり、胃腸障害の増加、風邪薬等カフェインを含む薬との成分重複による副作がでることがあります。睡眠導入剤や安定剤では、カフェイン自体の興奮作用による作用減弱が考えられます。

《ジュース》

酸性飲料×抗菌剤

お子様がお飲みになる抗菌剤の粉薬には、苦味を感じさせないように工夫したお薬があります。これらのお薬を柑橘系ジュースやスポーツドリンクのような酸味の強い飲み物でのむと、苦みを強く感じてしまうものがあります。苦みをかくすためのコーティングがはがれてしまうためです。

 

 

グレープフルーツジュース×降圧剤

薬を代謝する酵素の中には、グレープフルーツによって効果を阻害されるものがあります。それにより薬の代謝が阻害されると、薬の効果が強く出たり、副作用が発現しやすくなります。降圧剤のカルシウム拮抗薬が良く知られています。

《炭酸飲料》
コーラのような炭酸飲料は、薬の吸収に影響するといわれ、しかも散剤などは、炭酸の泡と一緒にのみ込みにくくなったり、十分にのみ込めなくなりやすいのでやめましょう。

《アルコール》
アルコールは肝臓で分解されます。多くの薬も肝臓で分解されます。このため、薬とアルコールを一緒にとると、薬の分解が遅れて、通常より高い血中濃度となり、結果として強い作用を及ぼすことがあります。さらに、アルコールを毎日飲み続けるとアルコールを分解する酵素が増えて、薬も分解されやすくなり、薬の効果が低下することもあります。精神安定薬や睡眠薬は、アルコールにも同じような作用があるため一緒にのむと極端に作用が強まることがあります。また、糖尿病の薬では、低血糖を起こしやすくなります。薬は、絶対にアルコールと一緒にのまないでください。