2021年2月号 貧血を予防しよう

貧血とは赤血球に含まれる血色素(ヘモグロビン)濃度が低下した状態をいいます。貧血はその原因によっていくつかの種類に分けることができますが、もっとも多いものは鉄欠乏性貧血です。
血液の働きで重要なことは、酸素を全身に運搬することです。その酸素を運ぶ役割を担っているのが、赤血球に含まれるヘモグロビンです。ヘモグロビンは主に鉄を含む「ヘム」という色素とたんぱく質が結合(ヘムたんぱく質)してできており、これが酸素と結合して全身に運ばれていきます。そのため体内に含まれる鉄が減少してしまうと、ヘモグロビンも減り酸素を運搬する能力が低下してしまい、易疲労感(疲れやすい)、頭痛、息切れなどの症状や運動機能の低下などを招くことになります。

◆鉄の1日の摂取推奨量

代謝によって、成人男性では約1mg、女性では約0.8mgの鉄が1日に損失しています。また女性は月経により、1日あたりに換算してさらに約0.5mgの鉄が損失しています。この損失する鉄を食事から補う必要があります。

◆ヘム鉄と非ヘム鉄

食品中に含まれる鉄には「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」があり、前者はレバーやあさり、赤身の魚などに多く含まれており、後者は野菜や卵、牛乳などに多く含まれています。この2種類で大きく違うのは体内での吸収率で、「ヘム鉄」で高く、「非ヘム鉄」で低いです。日本人成人(20~49歳)が1日の食事から鉄を摂取する量は、成人男性では7.5mg、月経のある女性では10.5mg(月経のない女性:6.5mg)が推奨されています。

◆貧血を予防するための食生活のポイント

貧血を予防するためにはまず、毎日失われる鉄を食事からしっかりとることが必要になります。主な食品の目安量に含まれる鉄量は下の図に示しました。

貧血を予防するためにはまず、毎日失われる鉄を食事からしっかりとることが必要になります。主な食品の目安量に含まれる鉄量は下の図に示しました。

◆鉄の摂り方のポイント

鉄の他にもヘモグロビンなどの材料になるたんぱく質・鉄の吸収を高めるビタミンCの摂取も大切です。鉄もたんぱく質も多く含む食品には牛肉やレバー、カツオなどの赤身の魚、あさりなどが、ビタミンCが多い食品には緑黄色野菜・果物などが挙げられます。さらに赤血球が作られるときには葉酸(ビタミンの1種)やビタミンB12などが必要になります。葉酸の多い食品はレバーやほうれん草、アスパラガス、ブロッコリー、納豆など、ビタミンB12の多い食品はレバー、魚介類、チーズなどです。

このように動物性食品・植物性食品をバランス良く組み合わせて食べることがポイントになります。

貧血予防のおすすめメニュー レバーのごまみそ炒め

〈1人分の栄養価〉
エネルギー:146kcal、たんぱく質:11.9g、鉄:7.2mg、食塩相当量:0.6g
材料〈2人分〉 分量
鶏レバー 100g
ごま油 適量
にんじん 50g
長ネギ 100g
白ごま 大さじ1
【材料A】
大さじ1
少々
山椒 少々
【材料B】
かつおだしの素 1g
味噌 小さじ1弱
胡椒 少々

【作り方】
1.鶏レバーは水で軽く洗い、【材料A】に10分ほど漬け込む。

2.フライパンにゴマ油を入れて熱し、「1」のレバー(つけだれはとっておく)とニンジン、長ネギを入れ、中火で炒める。

3.レバーに火が通ったら、「2」のつけだれに【材料B】を混ぜたものを加えて全体に混ぜ、器に盛り、すりごまをふる。

参照HP:e-ヘルスネット「https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/」そられぴ「https://recipe.shidax.co.jp/